PARIS  4日間一人旅

鏡の間

3日目

3月9日(火)

朝の5時には目が覚めたものの、昨夜の余韻でなかなか起き上がれない。9時にやっとホテルを出た。

近くの小さなパン屋で、クロワッサンとチョコパンを買った。ロンドンでは平気で立ち食いしていたが、朝のパリはそんなことができる雰囲気でない。メトロの駅まで歩きながら、こっそりクロワッサンを一切れ、口に放り込んだ。
んー、想像以上に美味しい。思わず顔がほころんだ。外がサクサク、中がモチモチ。こんな美味しいクロワッサン、日本じゃ食べたことがない。

Châtelet駅で、Versailles-rive-gauche-Chateau (ヴェルサイユ=リヴ=ゴーシュ)行きの切符を買った。思ったより安い。2.50ユーロだった。パリ市内(Zone1)で1.30ユーロだから約2倍である。
まずはメトロで、Saint-Michel Notre-Dameまで行き、RERに乗り換えた。
が、ここからが悲劇の始まりだった・・・・・・

すぐにホームに列車は来た。RER-C線には、いくつか行き先が分かれていて、それによって5番だったち8番だったりと路線が違う。だが、列車にもホームにも○番といった表記がどこにもないのだ。あるのは、"GOTA"と書かれた謎の掲示板だけ。
とりあえず来た列車に乗ってみた。

RERは、2階建てでとても大きい。改札を出るときもBillet(切符)が必要なのが特徴だ。Musée d'Orsay駅などを過ぎ、順調順調♪と気を抜いていたら、いつのまにか全く行きたい方向の反対側の(しかも分岐点からかなり離れた)駅についていた・・・・。急いで元に戻る。が、やはり行きたい方へは向かってくれない。取り敢えず、分岐点の隣の駅、Champs de mars tour eiffel (エッフェル塔の最寄り駅)で降り、乗り換えるが、また同じほうへ戻っただけ・・・。再びエッフェル塔最寄り駅まで戻り、今度はホームのポスターをよく見ることにした(最初からそうしろよ!)。
すると、最初に見た謎の掲示 "GOTA" というのは列車名で、それによって行き先が違うようなのだ。何とも分かりにくい。(ポスターも小さく書いてあるだけ)
ポスター見ながら「複雑ねぇ」と英語で言っている二人組みや、私と同じように翻弄されている観光客もいたので、この感想は私に限らないようだ。もっと分かり易く乗り方書いて欲しい!!

ようやくヴェルサイユ行きの列車 "VICK" に乗ることができた。
すでに11時。9時には着いている予定だったので焦る。(私のテキトーさがこんな所でも仇となるとは・・・)

ガイドブックには、どの時期に行っても混んでいると書いてあったが、Chateau de Versailles(ヴェルサイユ宮殿)はすごく空いていた。庭園の噴水さえ止められている時期だから、混んでいるはずもないといえばないのだが。

まずは入口C(個人ガイド付き見学)から入ってみる。オーディオガイドを借りなかったので、笑えてくる程何が何だか分からない。聞いた所で仏史を何も知らないので仕方ない気もするが、ほぼ全員借りているようだったので、私も借りれば良かったかもしれない。ただ、聞いて回るほどの時間の余裕がなかった。

太陽王?絢爛豪華な宮殿は、部屋間のドアの装飾まですごかった。太陽王のようなレリーフも付いている。寝室など小部屋(といっても広いけど・・・)をいくつか過ぎて、かの有名な鏡の間へ出る。 誰かの(笑)寝室? だが、入口Cからのコースは、鏡の間は端しか通ることができない。あとで、また真ん中を通れるのだろうと写真も撮らずに素通りしたら、出口に着いてしまった;
仕方ないので、外へ出て少し庭を見てから、今度は入口A(個人自由見学)から入ってみる。こちらは天井画が素晴らしい。そして、今度は鏡の間の真ん中を歩くことができた。(トップの写真参照)
窓からの景色もいいし、広々として気持ちが良い。鏡は簡素なもので、もっとゴテゴテした鏡を想像していたので、少し拍子抜けした。が、悪くない。 鏡の間 一通り宮殿の中を見終わった後は、庭園に出た。なんかとっても寒々しい。この後オルセー美術館にも行かねばならないので、あんまりのんびり庭園を回っている訳にも行かない。
そこで、マリー・アントワネットの村里に行くことにした。・・・が、ヴェルサイユ内でさえ迷う私。ありえないことに、Le Petit Trianon(小トリアノン)に着いてしまった・・・。どこまで方向音痴なんだ・・・。殆ど人がいない。名前の通り小さな建物で、部屋も可愛らしい。いかにも暇そうな係員のお兄さん(宇梶剛士似)が絡んでくる。ニッコリしなさい!見たいな事をフランス語でペラペラ言われ、さらに奥の部屋に入ったら、ふざけて扉を閉めようとしてきた。全く暇人である。

折角なので、Le Grand Trianon(大トリアノン)にも行くことにした。行って正解だった。ピンクの大理石の柱がとても可愛らしい。中も美しい。大小トリアノンは、人が殆どいなかったせいもあって、本殿よりも良かったかもしれない。時には私の方向音痴も良い方に働く。

それから急いで駅に帰った。早く帰らねばオルセーで過ごせる時間がどんどん短くなってしまう。RERの中で、オルセー美術館に思いを馳せていると、突如ドアが開き、係員軍団が切符検査にやってきた。普通切符見に来るのは車掌一人だが、本当に「軍団」なのである。数人がてきぱきと厳しく検査してゆく。可也怖い。

3時過ぎにMusée d'Orsay(オルセー美術館)に到着した。結構客は多い(もちろんこの時期だから少ないほうなんだろうけれど)。狭いようで広いオルセー、部屋が分かれていて分かりにくい。危なく一番の有名作が揃っている部屋に行きそびれる所であった。 オルセー美術館
私の大好きなセザンヌも沢山所蔵している。ロンドンのコートールド美術館で見た作品『トランプをする人々』が、ここにもあった。しかも習作まで!

ロンドンでは沢山の美術館に訪れたが、その中でも全く構図等も同じ作品、あるいは一部だけ同じ作品を見たことがある。
ルーヴルにしても、ここオルセーにしても、日本の美術館と同じでキャプションには、題名・作者など必要最低限しか書かれていない。 オルセーは彫刻も良い その点、ロンドンで行った美術館は全て、絵の説明までしてあって良かった。それに慣れてしまっていたから、なんだか物足りない。あ、オルセーは一応説明あったか・・・。あったけど、フランス語であんまり読めなかっただけだ(笑)。

オルセーは、印象派の傑作を多く所蔵していることで有名だが、彫像も数が多く、なかなか良い。ベンチの横にある、ロダン作の女性の胸像の前で、休憩がてらスケッチした。すると英語圏のお客さん二人の話がする。「彼女、頭どうしちゃったの?」「BAD HAIR DAYでしょ」・・・・笑。確かにその像の頭は変な形をしている。何か布を巻いている様でもあり、遠くから見ると丁髷の様にも見える。

最上階にある、マネの『草上の昼食』が予想以上に良かった。大きな画面に、力強い目線をこちらに向ける女性。マネの絵は、どこか生々しい。そこが以前は苦手だったのだが、今は魅力的に感じる。

ところでこの日、美術館には何故か黒い衣装を身にまとったコーラス隊(といっても4,5人)がいて、随所で歌を披露していた。最近何かとこういったパフォーマンスに遭遇することが多い。ロンドンとパリで何回TVカメラを見ただろう・・・。

閉館時間になったので、仕方なく外に出た。どこへ行く当てもなく、セーヌ川沿いを少し歩いたが、思い直してRERの駅に戻った。RER一本でエッフェル塔に行けるからだ。あの無駄に何回も降りたホームにまた行くことにした。 エッフェル塔 行っても行かなくてもいいや・・・という感じで、エッフェル塔には全く執着心がなかったのだが、パリに来たからには遠くから見るだけじゃなく近くにも寄ってみるか程度の心持。La Tour Eiffel(エッフェル塔)は、光っていないとただの茶色いタワーだ。何故か大阪の通天閣を思い出した(別に通天閣は茶色くない)。
塔の近くには、驚くほど人が少なく、逆に怖い。上にのぼる気もしなかったので、士官学校のほうへ向かって歩いた。

メトロの駅、Ecole Militaireの入口を探すのに思いの外苦労した(この駅では、カルト・ミュゼ・モニュマンを売っているようだった)。パリのメトロの入口は、街に溶け込んでいて見つけにくい。メトロかと思ったら、地下駐車場の入口だったりする。ロンドンのTubeは看板が目立つからこの私でも簡単に見つけられたのだが・・・。

今日はごたごたしてお昼ご飯を食べそびれてしまった。Louvre Rivoli(ルーヴルにある彫刻のレプリカがホームにある)駅で下車し、夕食を求めてふらふら。ショッピングモールのForum des Halles(フォーラム・デ・アル)の方へ行くが一人で気軽に入れそうな店がない。ガラスのピラミッドからプールが見えた。気持ち良さそう…。
結局、初日の夜もお世話になったホテル近くのお店で、バゲットのサンドイッチを買った。

今日もよく歩いて疲れた。明日はついに帰国だ。ホテルにタクシーの手配を頼む。パリではまともに買い物していないので、大金使ったのはタクシー代だけ。パリに来て買い物に執着心が全くない女子大生ってどうなんだろう…。

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