『スイミング・プール』

Swimming Pool
監督:フランソワ・オゾン  2003年/フランス/1時間43分/

公式サイト
Francois Ozon site officiel French & English


スランプ気味のイギリス人ミステリー作家、サラは出版社社長の勧めで南仏の別荘にやってくる。
心地よい静けさの中、順調に筆を進めていると、社長の娘で別荘の住民だと言うジュリーが現れた。

ジュリーの連れ込む男は汚らしい野郎ばかり。ジュリーが可愛くて最高の躯付をしているだけに、もう少しまともな男いなかったの…?と聞きたくなる感じ。結局殺すことになるフランク以外は互いに名も知らない一夜限りの関係である。

毎夜響きわたる男女の声に、最初は寝付かれず苛立つサラだったが、次第にジュリーという存在に刺激され目を離せなくなる。

年齢を重ねる内に忘れて行った女性としての本能を、若いジュリーによって呼び起こされていく。

サラはジュリーを主役に物語を書き始める。
だが、それがやがて思わぬ結果を生み、虚構と現実が入り交じっていく…。

最後の数分のどんでん返しについていけず、エンドロールが流れる中、「え?え?どういうこと?!」と結末を理解できずにいた。 結構不気味なエンディングである。

丁度、大学の課題でイギリスの階級社会について調べていたせいで、サラの典型的「ミドル・クラス」っぷりが気になった。
自由奔放な南仏娘ジュリーと差別化を図るためなのか、サラはとにかくお堅いステレオタイプ的なイギリス女性なのだ。「お堅い」といっても、見た目は神経質そうなのだが、実は書いている小説は、血と暴力とセックスの入り混じった犯罪小説。

この映画の最大の見所は、ジュリー役サニエ氏の美しい(顔に似合わず豊満な)おっぱいでしょう(笑)!って位無駄に丸だしになさってます…。
殆どのシーンは上半身裸だし、着ててもノーブラだし、オゾン監督ゲイだけどサニエ氏のおっぱい好きなんだろうなぁ(笑)。

サラ役ランプリングさえも全裸にさせてしまう監督はある意味スゴイ…。そこまで映さなくてもいいだろう、と逆にあきれる。
しかし、ある意味、女性は露出狂気味な面があると思う(自論)。そういう点からすると、サラがテラスで胸を丸出しにして使用人を誘って、部屋では全裸で横になって待っているという、この少々自意識過剰な行動に出たのも、(ジュリーをきっかけについに目覚めた)本能からなのかもしれない。

R-15でもしゃーないな、といった感じの映画でした(笑)。

前回見た『ぼくセザール』にしても、この映画にしても、ロンドンとフランスが出てくるという、私にはとっても美味しい映画なのでした。だから見に行ったというのもあるのですが。

スイミング・プールに関しては、本当にステレオタイプ的で、ロンドンの描写は、今にも降り出しそうな厚い雲に覆われた、気分まで重くなりそうな街であり、混み合った地下鉄も狭苦しく、明るい南仏との対比が強調されていた。

だからか、サラは別荘についてから、大きな窓を開けて深呼吸をしていた。好きな男からも見放され気味で、執筆も上手くいかなくなっていた。気分が優れないのは閉鎖的で暗いロンドンの街のせいもあったかもしれない。そんなことも忘れさせてくれる位に開放的な南仏は、別の何かをも開花させるのだ。

結構、同じことの繰り返しが多く(サラとジュリーの関係が変化していく上で仕方ないのだが)、期待ほどではなかったが、楽しめた。

しかし結末怖かったよぅ(>_<)


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watching date : Aug 14 '04 (Sat), time : 19:30-

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