PARIS ４日間一人旅
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| ４日目
3月10日(水) 8時にホテル出発。朝ご飯は、またもバゲットの残り。一人だとまともに食事しない所が悪い癖だ。折角朝食が頼めるホテルを選んだのに、結局一度もホテルで朝食を食べなかった。 タクシーを10時に来るよう頼んだので、今日はまともに観光する時間はない。夕方に出るような飛行機があればよかったのになぁ。昼間か夜遅くのフライトしかなく、昼間のほうを選んだので、”4日目”とはいえ、実質数時間しかいられない。 今日は、またルーヴル美術館に行く予定だが、開館は9:00なので、まだ開いていない。開く時間まで、セーヌ川沿いを散歩した。 2日目の夜に美しい夜景を見た辺りに行ってみた。朝のセーヌ川はすごく静かだ。時折犬を散歩している人を見る以外は、通勤時間に河岸に降りてくる人などいないので、美しい両岸の風景を独り占めできる。
暫くぼうっとしてから、ルーヴルに向かって歩き出した。 9時少し前にピラミッド前に到着したが、すでに人の列ができていた。トップの写真は、並んでいる時に撮ったものだが、朝日がピラミッドの一面に映り込んでとても美しかった。あと数時間で、パリも離れなければならないと思うと感傷的になる。良い一ヶ月だったなぁと思っているうちに、開館時刻となった。
ホテルまで歩いて帰る時間を考えると、30分しかいられない。 スーツケースは23kgまでは自分でちゃんと持ち上げられる。エール･フランスのエコノミーの制限重量は良い目安だった。自分で階段下まで降ろし、無事チェックアウトした。 余裕を持って早めにホテルを出発したが、30分で空港まで着いてしまった。シャルル･ド･ゴール空港（ターミナル2F）は、大してお店もないので、セルフサービスの店舗で軽く食事をしてから、搭乗口に座っておとなしくしていた。CDG2は壁面がガラス張りで綺麗だ。だから、成田行きの搭乗口に集まった日本人観光客は、やたらと記念撮影していて可笑しい。 コーラ味のチュッパチャップスに苦戦しながらも、1時間半をなんとか過ごし、4度目のエールフランス機に搭乗した。成田発CDG着の飛行機はビジネスクラスに運良く替えてもらったが、今回はそんなこともなく、普通にエコノミーだ。しかし、各個人の席に液晶がついているので、退屈することなく過ごせる。窓際だと思っていた席は、3人席の真ん中で軽くショックを受けたが、通路側のフランス人のおじさんが途中から消えたので（リクライニングの接触が悪かったせいだと思われる）、横が空いて少しは快適になった。窓際のフランス人でも日本人でもないお兄さんを時折助けてあげたりしながらも、難なく12時間は過ぎていった。 ロンドンの映画館で見ようと思って結局見られなかった "LOVE ACTUALLY" を機内で見ることができて良かった。イギリス映画らしい映画で面白く、イギリスでの1ヶ月を思い出した。 日本へは、午前10時ごろに到着した。パリを出たときは、雪がちらついていたのに、東京はひどく暑かった。砂埃が舞う成田の駐車場で携帯にたまったメールを見ながら、急に現実に引き戻されて、帰ってこなければ良かった、などと思う（友人からの温かいメールもあったというのに；）。この一ヶ月が夢であったように感じる。リムジン･バスに乗って最寄り駅まで帰ったが、家に電話しても誰も出ず、熱気が立ち込める空気の中独りでとぼとぼ家路に着いた。 スリッパなど私の私物の何もかもがしまわれ、部屋は姉に占拠されていた。誰もいない家は、私の帰国を拒んでいるようだった。散らかった室内から見つかったメモで、私のいない間に起こった重大な事件を知ることになるが、ここで述べても仕方のないことなので言わないでおこう。 とにもかくにも、良い旅ができた。たくさんの幸運が重なって、忘れることのできない数多くの経験をすることができた。独りで行動することは、自由な分孤独が付きまとうが、全て自分で計画して実行したので自信につながったと思う。今回で味をしめて、またどこかに一人旅したくなってきた。
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